かわいひでとし日記


 

令和元年7月14日    人気の質      芸人や教職を目指す人へのヒント

 

20年ぶりにスポーツクラブに通い始めて1か月経った頃。

スタジオエクササイズのクラスには一通り出てみたが、

まず感じたのは「早い」ということ。

早く感じるのは自分の体がなまってしまったからなのかもしれないので、ひとまず置いておいて。



偉そうなことを言って大変申し訳ないのだけれど、インストラクターの質に疑念を持ってしまった。

スタジオエクササイズをやるならティップネスに入れば良かったのだけれど、

電車に乗って通うところよりも、チャリンコでさっと行けるほうが良いだろうと思って今のクラブに入会した。

なので、ある程度予想はしていたのだけれど、こんなに質が低いものかと思ってしまった。


エアロビクスのクラスはまずもって、インストラクターの質で決まる。

どういう振り付けをやるかとか、そんな事ではなく、間違いなくインストラクターの質で決まって来る。

エアロのクラスは初心者向けクラス、上級者向けクラス、という様に、受講者のレベルによって分類されている。

初心者向けクラスなら、動きやすいように、きつすぎない様に行い、

上級者向けクラスなら、楽しく、興味をかきたてる内容で、いっぱい汗をかける様に行う。


ところが、インストラクターをやっていると、「集客」という問題に直面する。

受講者が何人いたか、という事だ。

人気が有るクラスはスタジオいっぱいにたくさんの人が入るが、人気の無いクラスは、ひどいと数人しかいないという事も有る。

集客によって待遇にも影響が有るし、なによりもインストラクター自身のモチベーションにも関わって来る。

 


集客を上げるにはどうしたら良いか。

受講者が喜ぶ事をすればいい。

で、何をするか、というと、、、、

例えば上級者向けクラスの場合なら、

いっぱい汗をかける、とか、

おもしろい、とか

楽しい、とか、

難しい振り付けをやって出来た時の達成感とか、

インストラクター自身が美人やイケメンであるとか、

などなど、、、、。


これらのうち何を優先するのかは、そのインストラクターの考え次第になる。

そこで、上級者向けだからという事で、難しい振り付けをやる、というものを選択するインストラクターが意外と多い様な気がする。

だけど、クラスに出て見ていると、実際に殆ど誰もきちんと出来ていないのだ。

なぜそんな事をするのかというと、

一種の恐怖に怯えるからなのだ。

常連のメンバー達に飽きられはしないか、簡単すぎるとすぐ出来てしまってつまらないと思われるのではないか、などなど、そういう変な恐怖に囚われるのだ。

これは芸人さんなどと全く同じで、とにかくウケることをやろうと思ってしまうのだ。

その結果、受けているメンバーのほとんどがちゃんと出来ない事をやってしまっている。

ここでさらに偉そうなことを書いてしまうのだが、平身低頭して書かせてもらうと、、、。

自分がインストラクターをしていた時には、確たる信念が有って、それを基本にやっていたのだった。

それは、きちんと動ける動き、それをなるべく大きく動く事で、ダンスを楽しむのではなくて、エクササイズをするのだ、という事だった。

上級者向けクラスであっても、自分がやっている事の殆どは基本動作だった。

それをもっと大きく動かす、もっと遠くまで伸ばす、という事をチャレンジしてもらう様にしていた。

ただ、上級者クラスなので、一か所だけ難しい動きを入れていた。

ジャンピングジャックをする時の腕の振り付けなどをややこしいものにするなど、一か所だけ難しくしたけれど、他は殆どが基本動作だった。

メンバーのモチベーションを上げる為にする事は振り付けではなく、トークや掛け声だった。

これは自分が競技エアロをやっていたのが大きく影響していたと思う。

基本動作を美しく動く、体力の限界まで力を出して動く、という競技エアロの喜びを知っていたので、出来たのではないだろうか。

きついけど頑張って動く、という事の楽しさだけで引っ張っていくようなクラスだった。

初心者向けクラスも勿論、基本動作だ。

ここではトークや掛け声がさらに大事になって来る。

優しいお兄さんを演じて、辛くない様に、難しくない様に、ゆっくりやりましょうという感じだ。

そもそも自分がエアロビクスのインストラクターになろうと思ったのは、中高年に体操をして貰いたかったからだった。

けれど、スポーツクラブのスタジオに行ってみると、最前列に常連メンバーがずらりと並んで、大部分がいつものメンバー、そして男性が少ない。

始めの頃は、上に書いた様な恐怖に囚われそうになった事も有ったけれど、もっと大きく動け、がんばれという事でテンションを上げて踏ん張ったのだった。





あのですね、普段の自分を知っている人は知っているでしょうが、実はワタクシ、とても物静かな人間で、口数も少なく、口下手でシャイな人間なのです。

それがどういうわけか、インストラクターとしてスタジオに入ると人が変わった様にハイテンションで、でかい声を出すイケメンインストラクターに m(_ _)m 変身するのでした。

声のでかさには自信が有ったものでした。

これは普段の自分からは想像もつかない事だと思います。


基本動作を大きく動く、という自分の信念が有ったので、クラブ側と話をして、「メンズクラス」というクラスをやった事も有った。

難しい動きは一切無し、だけど、ちょっとキツい、というクラス。

自分なりに手ごたえを得ながらやる事が出来たのだった。

基本しかやらないけどつまらなくない、基本しかやらないけど楽しくて盛り上がる、

という事の中に本質というものが有るのではないだろうか、、、。



そして、エアロビクスでクラスを盛り上げる要素の一つで、大切なのは選曲だ。

初心者向けクラスなら、優しく、楽しい曲を、

上級者向けクラスなら、ハイテンションな曲、ランナーズハイになる様なトランスな曲、など、、、。

なので、レッスン用のテープは全部自分でリミックスした物を使っていた。

昔はカセットテープだったので、ダブルデッキのミキサーを買って徹夜でテープを作ったものだった。


そんなような事で、時間的にも精神的にも体力的にも、全精力をつぎ込んでインストラクターをしていたのだった、、、、。



さて、ここまで長々と書いてきましたが、何を言いたいかというと、

芸人さんを目指す人でも、教職を目指す人でも、イントラを目指す人でも、みんな同じ。


ウケ狙いではなく、確たる信念をもって、基本を大切に、ウケを狙うギャグをやるのではなく、

「味わい」といったような人間自身のテンションや持ち味や信念でウケを狙いましょう、

という事なのだ。

明日の授業でやるギャグを考えとかなくちゃ、ではなく、もっと基本に戻って信念をもってやりましょうということなのだ。

ギャグを考える時間が有るなら、話し方のトーンや抑揚などを研究したほうが良いと思う。

人間、やっているうちに、だんだん味わいが出てくるものです。

芸人さんでもそうですよね。

一発ギャグが面白い芸人よりも、

全体のトークに味わいが有る芸人のほうが評価が高いでしょう?

 

人柄と言うのでしょうか、なんだかわからんが、なんか楽しい、という人っていますよね。

そういうことの中に、大切な本質が有るのではないでしょうか。

 

基本を忘れずに、

信念を持って、

雰囲気良く、楽しく、

気配りをしながら、

知識も大切だが、そればかりを押し出すのではなく、

柔らかく人柄を押し出しながら浸透させる、

そんな感じで、

芸人でも先生でもやって欲しいな、

と、強く強く思うのでありました。

ご清聴ありがとうございました。

 



昔、自分でリミックスしたエアロビクス用テープ

一次予選 

無酸素運動な人々

エアロビクス


ワイルドに行こうぜ

シャワーを浴びる人々

有酸素運動の効果

 


 
 


 

 


 


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