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令和4年11月26日 敬意を払う心 スタジアムのゴミ拾い |
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日本の学校では生徒が教室の清掃をする、と聞いて、 すばらしい! と言う外国人と、 そんなことをする時間が有るなら勉強したほうが良い、という外国人が居る。 また、清掃員の仕事を奪う、などとも言う。 さて、どうなんでしょうか。 日本人としては、胸を張って 「自分が使った場所は自分で掃除する」のが当たり前だ、と言いたい。 掃除する時間が有るなら勉強したほうが良い、という意見もとってつけたような意見だ。 勉強の時間をプラスすればそれだけ学力が上がるわけでもない。 掃除で気分転換が出来るとも言える。 清掃員の仕事を奪うという意見は、あまり掃除をしたことが無い人の意見だ。 清掃員はそれを仕事にしているプロだ。 子供が掃除した後でもう一度掃除をする事は出来るし、プロの技で綺麗に出来る。 ただ、そもそも日本の学校には清掃員は居ない。 ワールドカップで日本のサポーターが客席のゴミ拾いを始めたのは、 日本が初出場だった1997年のフランスワールドカップだった。 それ以来ずっと続いている。 当たり前だ。 自分が使った場所は立ち去る時に綺麗にしていくのが当然の事だ。 試合が終わって帰ろうとしたらゴミが落ちていたので拾った。 見たら自分の席の周りにもゴミが落ちていたので、ついでに拾った、 ただそれだけの事だ。 現在ではそれが恒例になってしまっているので、予めビニール袋を用意して、 最初からゴミ拾いをするつもりになって会場に来ているが、 別に褒めてもらいたくてやっている訳でもなく、目立ちたくてやっている訳でもなく、 そこにゴミが有るからだし、やる事になっているからやる、というだけの事だ。 それだけでなく、礼儀としてやっているのだし、立つ鳥跡を濁さずなのだし、 食事の後、ごちそうさまでした、と言うのと同じ感覚でやっているのだ。 スタジアムの床はコンクリートだ。 そこからゴミを拾ったところで、完全に綺麗になるわけではない。 ![]() 日本には高砂箒という優れモノが有る。 コンクリートをはくのに最適な箒だ。 細かい埃も砂埃もきれいに掃除できる。 仕事を奪われると言うならゴミを拾った後、箒ではくなり、 水をかけてデッキブラシでこするなりすれば良い。 面倒ならバキュームクリーナーでも良い。 ゴミを拾っただけなのと、その後で、はいたのでは全然違う。 掃除が仕事なら箒ではきなさい。 ゴミを拾ったからといって、仕事を奪われたりはしない。 さて、欧米は階級社会で、清掃員などの仕事は下層の貧しい人たちのものだから、 仕事を奪ってはいけない、という考えが有るという。 貧しい人間の仕事を奪ってしまうのがダメなのではなく、上級国民が掃除などできるか、 というのが本音ではないのか。 そもそも給仕をする人にチップを渡す習慣が有るというのは、 その人を完全に自分より目下の貧しい者、と思っている証拠だ。 日本ではそんな失礼な事はしない。 お礼としてお金を渡す時は、きちんと包んで渡すものだ。 中世じゃないんだから、もういい加減、考えを改めたらどうなのか。 表向きは階級など無い事になっているが、実際には有る。 けれど、もう階級は無いなずなのだから、給仕をする人も掃除をする人も、 自分と対等の人間であると思って敬意を払わなくてはいけない。 ヨーロッパの人が日本に来て食堂に入ると驚くと言う。 大衆的な食堂の中には、作業着を着たブルーカラーの人も、 スーツを着たホワイトカラーの人も混在しているからだ。 (ホワイトカラーと言っても、結局は貧乏サラリーマンなのだが) 日本ではこうなのだ。 多くの外国は貴族階級が支配し、その文化が庶民に降りてきた。 けれど、日本の支配階級は質素を旨とし、道徳を重んじる侍だったのだ。 日本では昔から、肉体労働をする人やモノを作る人に敬意を持って来た。 お百姓さんには感謝してきた。 外国の人達は、ゴミ拾いを見習うと言うのなら、 日本のこういうところも一緒に見習ったらどうかと思う。 と、言いたいことを言ってすっきりしたので、最後に。 外国に行ったらその国の文化を尊重して合わせたら良い。 ただ、チップをあげる時は「日本では相手に敬意を持ってこうするのです」と言って、 ポチ袋に入れて渡したらどうなのか。 江戸時代末期、ヨーロッパの人がたくさん日本に来ていた時期のこと。 渡し船に乗ったイギリス人が、どうせ過大な料金を吹っ掛けられるのだろう、と 多めに金を渡したところ、船頭はこれは多すぎます、と頑として受け取らなかった、 と、感動を持って書いている。 日本人は日本の文化に誇りを持ってほしい。
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