かわいひでとし日記

 

 

 

 

 

 


 

令和2年7月25日      小さいおうち      人間の日常


若いころの小さな出来事。

何年経っても忘れない小さな出来事。



「小さいおうち」という映画を見た。

いつものように、勝手に録画されていたので、どんな映画かわからないまま見た。

始まってすぐ、これは山田洋二監督の映画なのだな、とすぐ分る配役だった。


自分は色々と新しい日本映画を見たりもするが、やはり色々と気に食わないところが有るものだ。

特にセリフ。

セリフが青臭くて、なんだか白けてしまう事が良く有る。

人のセリフというものは、人生経験を積んでからでないと書けないのではないかと思うことが良く有る。

この、「小さいおうち」を見ていて、どこにもケチをつける気が起きなかったのは、

やっぱり山田監督ならではなのだろうと思った。

寅さんですっかりお世話になった山田監督だし、そのほかにも良い映画をたくさん見せてもらった。

それでも、心酔するほど山田監督を好きになっていた訳ではなかった。

ちょっと変わった人だとも思っていた。

しかしまあ、本当に完ぺきに映画を作る監督なのだなあと、心底思った。

若い脚本家や監督が書いた映画はどうしても、どこかに青臭さが有って、

ちょっと嫌になってしまうことが有るけれど、山田監督はやっぱり完璧だった。


この映画を見て、いいと思うのはきっと年寄りだけなのだろうと思う。

若い人が見てもこの完璧さは分からないかもしれない。

そういうわけで、自分も年を取ったのだなあと思う。

せっかく年を取ったのだから、味わいのあるセリフで映画を一本書いてみたいものだと思う。


ところで、この映画、おばあちゃんの回顧録を読んだ孫の大学生が、

昭和11年に、そんなにみんなが楽しく暮らしていた訳はないじゃないか、

もう戦争が始まっていたんだよ、嘘を書いてはいけないよ、なんて言うのだった。

いや、戦争は始まっていたけれど、みんな明るく元気だったとおばあちゃんは言います。

そうですよね。きっとそうだろうと思います。


何十年か後、

2020年は世界的な疫病が大流行し、多数の感染者を出し、都市は封鎖され、

経済は地に落ち、その上さらに、大規模な水害が発生し、

地球温暖化によって異常気象が頻発し、外出を自粛しなければならない日々が続いた、

と、歴史書に書かれる事だろう。

それでも人間たちは、毎日笑顔で暮らしていたのです。

戦争中であっても、大災害のさなかであっても、人間には穏やかな日常が有るのです。

そんな事も思う映画でした。

予告編


 

 




この世界の片隅に

戦争の記憶

すずさんの怒り

8月の朝







 
 


 

 


 


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