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古くからの日本映画ファンとして、たくさんの名監督の映画を愛して来たけれど、 新しい日本映画はどうもイマイチで、これはいいね、という映画はそんなに多くない。 考えてみると、自分が良いと思った新しい日本映画の内のいくつかは、山崎貴監督の映画なのだった。 ALWAYS 三丁目の夕日の第一作は、本当に大好きで、何度も見た映画だったし、 第2作目のALWAYS 続・三丁目の夕日も、映画館に見に行ったのだった。 第3作目のALWAYS 三丁目の夕日'64は、録画されていた映画を物色している時に見つけて、まだ見ていなかった事に気が付いて、見始めてみたら最後までじっくり見てしまった。 新しい日本映画がイマイチだと思う理由の一つは、演技が空虚なこと。 リアルな演技、とか、迫真の演技、とか全力で演じてくれていても、どこか空虚に感じてしまう事が多い。 逆に伝統的な日本映画の演技というのは、味が薄くて濃厚ではない様でいて実はしっかり出汁が効いていて、鰹と昆布と煮干しまで入れて、さらに味噌を溶かして野菜の煮汁も混ざった様な、中身の濃い演技が特徴なのだと思う。 中身が濃いので、多少大げさな演技であっても臭くならず、見ていて心地よいのだ。 山崎貴監督の映画は何故か、そういう伝統的な日本映画の演技が展開されている様に思う。 出演者全員が本当に心地よい、伝統的な演技をしてくれている。 1964年という年は、東京オリンピックが開催された年。 首都高速が出来、新幹線が開通した年。 そして、山崎貴監督が生まれた年でもある。 貧しくても明るく、希望に満ちた時代だった。 そんな、明るく前向きな気持ちが溢れた素敵な映画だ。 そして、山崎貴監督は脚本にも加わっている。素晴らしい脚本だと思う。 映画はこうでなくちゃ、と思う。 山崎監督には山田洋二さんの後を継いで、美しい日本映画をたくさん撮って欲しいと思う。 映画「ALWAYS三丁目の夕日'64」見どころ 感動編 |
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