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令和3年10月13日 江戸弁 東京の話し方 |
自分は東京の山の手生まれ。 ご幼少の頃はお金持ちの家のお坊ちゃまだった。 東京の文化は、山の手と下町に分かれていて、ずいぶん違ったりする。 下町は割と有名だと思うけれど、 べらんめぇ調で喋る、江戸落語に良く出てくる八つぁん熊さんみたいな、 てぇへんだてぇへんだ、だの、何を言ってやがんでぇ、みたいな話し方。 山の手の喋り方は随分違っていて、ちょっと上品ぶった喋り方です。 お父様、お母さま、それでは行って参ります、みたいな感じです。 自分が子供の頃、一緒に住んでいた従妹の女の子が「わたし」というと 「わたくし」と言いなさいと直されていたりした。 5歳くらいの女の子が「わたくし」というのがなんだか可笑しくて、 大人たちもちょっと笑っていたものだった。 「ただいま帰りました」と帰って来ると、 「あ、わたくしが帰ってきたよ」とか言って笑っていたのだった。 現在使われている、いわゆる「標準語」というのは東京の山の手の言葉が元になっているそうだ。 今ではNHKでさえも、普通に「ド真ん中」と言うけれど、そんな言葉を使うと、 「まんまんなか」と言いなさいと叱られたものだった。 江戸は武士の町だったので、関西とは随分違う文化が有った。 例えば、お店などの商人は、大阪とはまるで違っていた。 「へい、いらっしゃいまし」と揉み手で迎える様な文化は無く、 お客が来ると、「なんですか?」みたいな、まるで愛想が無い商人が多かった。 自分が生まれたのは昭和半ばなので、もうそういう商人も少なくなっていたけれど、 一度、浅草の観光目的ではない呉服屋さんに行った時に、そこの女将さんが、 「いらっしゃいませ」でも「こんにちは」でもなく、 「なんですか?」みたいな態度で出てきたのを目撃したことが有った。 士族の商法、なんて言葉を習った事が有りますよね。 もちろん、今の東京はそんな事はなく、みんな「いらっしゃいませ」なのだけれど。 山の手の人間はいつも気取っているかというと、そういうわけでもなく、 下町の喋り方にも影響を受けていて、くだけた雰囲気で喋る時は、 結構べらんめぇ調に近い話し方もしたものだった。 西の方の人からすると、東京の話し方はちょっとキツく感じる事も有ると思う。 なんだばかやろう、こねやろう、おめえなんか死んじまえ、 なんて言うのは完全に東京弁で、かなり愛情を込めた言い方だ。 なので、西の方の人は、「てめぇ」、とか「死んじまえ」と言われたら愛されているのだと思ってください。 また、話し方が丁寧過ぎてちょっと冷たく感じる、と思う時も、江戸弁なのだと思ってください。 まあ、そんな江戸弁を喋る人も少なくなりましたけど、東京育ちの人には、部分的にそういう話し方が残っていると思います。 話し方が冷たいと感じた時はこの話を思い出してくださいませ。 東京オリンピックの思い出 釣りはいらねぇよ |
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