令和元年8月8日 ハイレッグキック
見た目だけでは解らない困難さ
競技エアロの華、ハイキック。
競技をやる人間にとっては、ハイキックをやりたくて競技をやっている様なところがある。
だが、ハイキックは最も運動強度が高い。
かなり辛い運動だ。
これを16回やったらもう、かなり息が上がってしまう。
ハイキックは高く上がるほど良いのだけれど、つま先までピンと伸ばしていなければならない。
これがジレンマになる。
つま先を伸ばすということは、脚の裏側を縮めるという事だ。
一方、高く上げると言うことは、脚の裏側を伸ばすという事なのだ。
この、相反する運動を同時にやる難しさが有る。
競技エアロのビデオでハイキックを見てみてほしい。
つま先までまっすぐ伸ばしている。
シューズをはいているのに、あそこまで真っ直ぐ伸びているという事は、かなり意識して伸ばしているという事だ。
女性と男性の違いも大きい。
女性は柔軟性が高いので、勢いで振り上げる事が出来る。
しかし、男性は硬いので、筋力で持ち上げる様な所がある。
脚を上げるのは、腸腰筋を主体にした部分を使うので、脚の前面がきつい、一方、脚の裏側が伸ばされるので、これもきつい。
脚を上げても、上半身がぶれない様に保持しなければならないので、これもきつい。
決勝に残るレベルの選手になると、男性でも45度以上の高さに上げている。
それも軽々と上げている様に見えるが、実際にはかなりキツい運動をしているのだ。
男子新体操、鹿児島実業の振り付けには、何故かエアロの動きが入っている事が良く有る。
ニーアップハイキックなんかをやっている事が有る。
彼らの様な柔軟性が高い人でも、高さは45度未満になっている。
どんなスポーツでもそうだが、軽々とやっている様に見える動きでも、
それがどんなに大変なのか、
想像して見てみると、
いっそう感動が大きくなるのではないでしょうか。
例えば相撲のマネをしてみる。
お互いに押し合っている時に相手がさっと引いたらどうなるか、とか、
ハイキックをやってみる(やるとバリっというのでスローモーションで)、
窓枠に足をのせて伸ばして見る、
斜前屈をやってみる(バキっというので、スローモーションでどこまで伸びるか)、
つま先立ちで踵を高く挙げて上挙してみる、
なんていうふうにちょっと体感してみると、どんだけ凄い事をしているのか解る。
エアロビクスの決勝演技と同じ速さで動いてみると、猛烈な速さで動いている事が解る。
ちょっとマネして体感してからスポーツを見ると随分違う感じ方が出来るのではないでしょうか。
そうすることで、そのスポーツや競技者への敬意が生まれる。
逆に、下手っぴーなスポーツを見ても、理解が持てると思う。
そうすると、一流選手しか認めない様な事も無くなってくるのではないだろうか。
じじー、がんばる(ダイジェスト版)
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