かわいひでとし日記


 

2017.12.01  (平成29年12月1日)       平成         天皇の国  

昭和天皇崩御の時、新聞の見出しのでかさに驚いたのを覚えている。
そして、「崩御」という単語を初めて知ったのもこの時だった。
ものすごく大変な事が起こったのだと実感したものだった。

日本の歴史上、昭和天皇はかなり重要な意味を持った天皇の一人だったのだろう
と思う。なにしろ、建国以来初めて、外国との戦争で負けた時の天皇なのだから。

そういう偉大な天皇の後を継いだ明仁天皇は、どことなく影が薄いのではないか
と思った事があった。
ずっと「皇太子さま」とお呼びしていた人が天皇になったのだ。

小渕官房長官が「平成」と書いた額を示した場面はとても印象に残っている。

国の内も外も、平らかに成る、という「史記」に出てくる言葉なのだそうだ。

昭和天皇に比べて、どうしても影が薄くなるのは仕方が無いと思っていたが、振
り返ってみるとそんな事は無く、意外や意外、とても自己主張をなさった天皇だっ
たのだなあと思う。

政府が慌てて譲位について決める事になったのは、法的な根拠でもなんでもなく、
単に天皇の「お気持ち」の表明を受けての事だった。
天皇が何か言えば、政府が慌てて動くというのは実は個人的には小気味良い様な
気がしている。

天皇の鶴の一声で国が動いてしまうという場面を、日本史をざざーっとでも勉強
したら、少なくとも2回は見ているのだ。

幕末に、薩長が菊のご紋章をかかげて進軍(実はこれはインチキだったのだが)
するのを見て、幕府の将軍が大阪から夜逃げして、自分で自分を蟄居謹慎処分に
してしまったと読んで驚いたのを良く覚えている。

そして、昭和の陸軍が本土決戦を叫んで言う事を聞かなかったけれど、玉音放送
で終戦になった。

なんというか、天皇が最後の砦になってこの国が持ってきたという感じがする。

内閣が戦争を出来る様にしようとすると、天皇が慰霊の旅にでて言葉を発するの
を見て、チクリと主張しているのだなあと思った事が有った。

森喜朗さんが「日本は天皇を中心とした神の国」だと言って問題になった事が有っ
た。あの時、「神の」だけ抜いて言えば良かったのに、と思ったものだった。

日本という国は確かに天皇がいるから日本なのだと思うのだ。

平成の天皇は結構自己主張した人だなあと思うのは、
結婚も恋愛結婚だった(と言っても、一般庶民とはちょっと事情が違うが)。
軽井沢のテニスコートで、美智子さまと、というストーリーで、
「皇后陛下」とは呼ばずにずっと「美智子さま」と呼んで来たのだった。

天皇のマイカーはホンダのインテグラというボロい乗用車で、
皇居内を運転するぶんには免許など要らないのだけれど、きちっと免許を取って
運転をしているという話も聞いた事が有る。
この写真はなんか、かわいい。



東日本大震災のとき、天皇がビデオメッセージを出したのを見て、昭和天皇の玉
音放送に習ったのだろうなあと思ったりした。

そして最後に「お気持ち」を表明して生前退位を実現してしまった。

そんなこんなで、平成の天皇はかなり頑張ったのだなあと、つくづく思う。

退位すると「上皇」になるのだそうだが、「上皇」と聞くとすぐ「後白河上皇」
を思い出してしまう。
後白河と聞くと、大河ドラマなどでは憎たらしい悪役というイメージだけど、平
成の上皇がまたイメージを変えてくれるのだろう。

退位後は好きな事をしてゆっくりして頂きたいと思う。

 
 


 

 


 


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