かわいひでとし日記
思うこと、こころもち、脳内風景


2014.10.25         菜も食ろう判官義経 ~ 女房が押入に隠れる


先日、あさイチで、西川ヘレンさんが、夫婦間の色々な事のひとつの例として、

奥さんが押入に隠れる話をしていた。

私は古い日本人だから、今は時代が違うから、

という事を付け加えて話していたところが既に、

とても気遣いの有る人だという事を表していると思った。


奥さんが押入に隠れる話というのは、

例えば、

今日は女房が留守なので、夫が浮気相手を家に連れてきた、

しかし、予定が変わって女房は家にいた、

で、はちあわせしそうになる、

と、そこで女房がとる行動は、

とっさに自分が押し入れに隠れる。

というのは、夫に気まずい思いをさせたくないから。

ばつのわるい場面を作りたくないから。

文句は後でも言える、とりあえず、この場は丸く収めたい。

だから自分が押し入れに隠れる。


と、これを美徳と考える人と、そうでない人の比率はどれくらいなんだろう。


女性の地位の問題と捉える人も多いと思うのだけれど、それ以前の人としての優

しさみたいな所が美徳だと感じるのだけれど、、、。


誰でも失敗はする、ちょっと悪さもする、そのとき見つかっちゃったりした時の

ばつの悪さ、表立って喧嘩になることの下品さ、

そういうものを嫌って、とりあえずこの場は収めておきたいという心情。


それは場合によっては問題を大きくしてしまう事も有るし、社会的にはあまりやっ

てはいけない事なのかもしれないけれど、

1人の人として、プライベートでは、やはり美徳だと感じるのです。


事を荒立てたくない、という気持ち。

社会的な場ではなく、1人の人としてという範囲だけでも、

忘れずに持っていたいと思うのですが、、、。




小学生の時、知能テストってのをやったんですね。

で、その結果を各自に渡されたんですよ。

知能指数が126と書いてあった。

その後暫くして、友達の家に遊びに行った。

その子はクラスの中でも成績の良い子だった。

それでその子が、ちょっと自慢げにその知能指数の書いた紙を俺に見せたのだった。

見たら118と書いてあった。

それで、俺は凄く困ってしまった。もうほんとに血の気が引くほど困ってしまった。

彼は自分のほうが高いと思って自慢したかったのだ。

知能指数いくつだった?と聞かれて、

俺はえーっと、なんだっけ、忘れちゃったと答えたのだった。

彼は俺の数字が低すぎて、恥ずかしくて言えないのだろうと思ったでしょう。

でも、それでその場は何事も無く収まった。

それでいいと思った。



昔、新宿2丁目のちょっと高い金取るバーで同席する機会が有った時の出来事。

上得意の常連のお客さんが2組居て、ママがそのお客について飲んで居るときに、

片方のお得意さんが、おあいそして、と言うので、ママは必死に止めました。

まだいいじゃないのよ、もうちょっと居なさいよって。

というのは、2組のお客さんの金額の違いが有るからなんですね。

自分が常連のお得意さんだと思っているのに、他の客よりお会計の金額が安かっ

たらメンツが立たない。

お会計する時に、別のお客の金額を聞かれてしまう可能性があるので、ママはそ

れを恐れたのですね。

なんというか、

自分が恥をかくよりも、他人に恥をかかせる事のほうがずっとずっと耐えられないと思う様な感覚。


そういう気持ちって、とてもいいと思うのです。




女房が押入に隠れるといえば、「青菜」という落語が有りましたな。

押入で汗びっしょりになった女房が、はい旦さ~ん、って出てくるやつね。

http://rakugoarasuji.jugem.jp/?eid=1


https://www.youtube.com/watch?v=b3--0NVz9Lc



 


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